田沢湖
秋田県の中東部に位置する田沢湖。最大深度は423.4mで日本第一位(第二位は北海道の支笏湖、第三位は青森県の十和田湖)、世界では17番目に深い湖である。
ちなみに世界で最も深い湖はロシアのバイカル湖です。
湖面標高は249mであるため、最深部の湖底は海面下174.4mということになります。この深さゆえに、真冬でも湖面が凍り付くことはなく、また深い湖水に差し込んだ太陽光は水深に応じて湖水を明るい翡翠色から濃い藍色にまで彩るといわれており、そのためか日本のバイカル湖と呼ばれている。

辰子姫像
田沢湖のほとり神成村に辰子という名の娘が暮らしていた。辰子は類い希な美しい娘であったが、その美貌に自ら気付いた日を境に、いつの日か衰えていくであろうその若さと美しさを何とか保ちたいと願うようになる。辰子はその願いを胸に、村の背後の院内岳は大蔵観音に、百夜の願掛けをした。必死の願いに観音が応え、山深い泉の在処を辰子に示した。そのお告げの通り泉の水を辰子は飲んだが、急に激しい喉の渇きを覚え、しかもいくら水を飲んでも渇きは激しくなるばかりであった。狂奔する辰子の姿は、いつの間にか龍へと変化していった。自分の身に起こった報いを悟った辰子は、田沢湖に身を沈め、そこの主として暮らすようになった。

辰子の母は、山に入ったまま帰らない辰子の身を案じ、やがて湖の畔で辰子と対面を果たした。辰子は変わらぬ姿で母を迎えたが、その実体は既に人ではなかった。悲しむ母が、別れを告げる辰子を想って投げた松明が、水に入ると魚の姿をとった。これが田沢湖のクニマスの始まりという。

北方の海沿いに、八郎潟という湖がある。ここは、やはり人間から龍へと姿を変えられた八郎太郎という龍が、終の棲家と定めた湖であった。しかし八郎は、いつしか山の田沢湖の主・辰子に惹かれ、辰子もその想いを受け容れた。それ以来八郎は辰子と共に田沢湖に暮らすようになり、主のいなくなった八郎潟は年を追うごとに浅くなり、主の増えた田沢湖は逆に冬も凍ることなくますます深くなったのだという。
なお、湖の北岸にある御座石神社には、辰子が竜になるきっかけとなった水を飲んだと言われる泉がある。

辰子伝説より

田沢湖の主である辰子姫像前でガイドさんから説明を受けた後に記念の一枚。参加者の女性人の中で誰が一番辰子姫に似ているでしょうか。
辰子姫像は、湖面岸に立っているため十数段の階段があり車椅子では降りて行けません

漢槎宮(かんさぐう)浮木神社(うききじんじゃ)
辰子姫像の隣に立つ潟尻明神。
この神社は、1769年、秋田藩士 益戸滄州によって漢槎宮と命名されたことから、この田沢湖のことを漢槎湖あるいは、ただ槎湖と呼ぶようになった。拝殿正面に掲げられた漢槎宮の扁額は滄州が遊覧のおり、船頭をつとめた少年 斎藤千太郎に書き与えたものです。

参考資料より