網走という地名を聞けば誰もが知っていて映画 「網走番外地」でも有名なのが網走刑務所です。でも本物の刑務所内を観光するわけにもいかず、今回は実際に昭和59年まで使われていた獄舎を移築・復元した「博物館 網走監獄」を見学しました。この博物館は明治以来使われ続けてきた網走刑務所の古い建物を文化財として保存公開することを目的に、昭和55年に財団法人 網走監獄保存財団を設立、昭和58年7月に開館しました。

ここ五翼放射状平屋舎房(ごよくほうしゃじょうひらやしゃぼう)は、明治42年の火災で焼失したそれまでの並列型獄舎に代わって3年後の同45年に再建された舎房です。中央見張りを中心に、5本の指を放射状に広げたようになっているいるため、五翼放射状舎房と呼ばれています。この建物の特徴は、少人数でも監視しやすいという利点があり、ベルギーのルーヴァン監獄を模したものと言われています。

館内の案内には元看守のガイドさんが同行し説明してくれました。天井には実際に脱獄を謀ろうとした囚人が(ロウ人形)で紹介されています。

5棟のうち雑居房は収容定員3〜5人で126室あり、部屋の広さは、畳6枚敷、独居房は収容人数1人で100室あり、部屋の広さは畳3枚敷、雑居房と独居房合わせて226室で構成されています。雑居房の廊下側の壁は「斜め格子」で等間隔に「スキ間」を置きながら作られているため(ブラインド方式)により廊下側からは部屋の中は見えますが部屋の中から廊下をはさんで向かい側の中は互いに見えないように作られています。独居房は「くの字格子」で作られており、換気のためのわずかな隙間はありますが、廊下側からも部屋の中からも見えない造りになっています。

上記は、馬や農耕具を使い田や畑を作っている屋外作業の様子です。この他にも木材の伐りだし作業などもあり、冬の時期には極寒の中で過酷な労働を強いられました。