市内観光と昼食を終えて向かった先は、今回の旅行の目玉であるスウェーデン(ストックホルム)での障がい者団体との交流会です。最初の予定では同市でのリハビリセンターにて交流&視察でしたが数日前に代表の方が体調を崩して入院されたため、急きょDHRスウェーデン障がい者連盟(身体障がい者団体)との交流会に変更になりました。

設立60年というスウェーデン障がい者連盟の建物はストックホルム郊外にあり、予定時間に遅れた私たちを玄関先で出迎えてくれました。交流会場は建物の奥にあるゲストルームでテーブルには飲物やケーキを準備していてくれたのですが、全員昼食をお腹いっぱい食べたばかりでとてもケーキまでは手が出ませんでした。せっかくの好意を無にするようで申し訳ない気持ちでした。
代表同士の簡単な自己紹介の後、当会と会員2名が日本から持ってきた「お土産について」説明をしながら代表のDさんに渡し喜んでいただきました。その後、日本とスウェーデンの福祉制度やサービスの違いについて通訳を介して話し合いました。

当会からは自立支援法に伴う下記の5つの質問をしました

@日本では介助サービスを利用する場合、事業所と契約をしてサービスに要した費用(1割の上限ありを除く)は行政から事業所に支払われるが
スウェーデンではどのような制度、システムなのか?

障がい者が行政に対して介助サービスを受けたい旨を相談し、申請をして受理されれば直接介助者と契約をして掛かった費用が支払われる。
自己負担に関してはBを参照。

A日本では学校の通学および学校内での介助、職場への通勤、職場内での介助などには公的な介助サービスを利用できませんが
スウェーデンではどうでしょうか?

その障がい者にパーソナル・アシスタント(ヘルパー)が必要だと認められれば(学校の通学や校内での介助、職場への通勤や職場内)での介助も利用できる。

B介助サービスを受ける場合に利用者の自己負担はあるのか?

収入に応じて自己負担額が決まるが最高で2万円の負担。

C公的な介助サービスをどの程度(どのくらいの時間)受けられるかを決定する機関はどこか?またその判断は公正になされているか?

スウェーデンの行政がする。その際、障害の程度や収入などを調べて公正に判断する。

D障がい者への住宅提供、住居改造への支援はどのようにされているか?

障がい者が現在の住宅状況を説明し、行政に住宅提供や改造箇所を申請して認められれば掛かった費用の何割かを助成する。

その他、会員からの質問について

@スウェーデンの視覚障がい者の就職率と職種は?

登録をされていない視覚障がい者もいるので正確な就職率は分からない。
職種については昔はマッサージ師が多かったが近年では職種の幅も広がり、コンピュータのプログラマーや弁護士などもいるそうです。


Aスウェーデンには身体障がい者のグループホームはあるのか?

身体障がい者⇒病気やケガをしている場合以外は在宅で(ヘルパーの介助を受け)生活をしている。
知的障がい者⇒親族と同居していない場合、国の法律で5人以下のグループホームで(ヘルパーの介助を受け)生活することが義務付けられている。
精神障がい者⇒在宅生活が困難な人は施設に入所する場合もあるが、それ以外は在宅で生活している。

話が盛り上がり予定の時間をオーバーしてしまったため、もっと聞きたい事もありましたがこれからの日本とスウェーデンの福祉向上を誓い合い玄関先でDHRの代表&スタッフと記念撮影をして解散となりました。

DHRメンバーのKさんが乗ってきた移送サービス車(ワゴンタイプ)は後方よりスロープで乗降するものでした。

車内は車椅子が2〜3台固定できるタイプで床のレールに金具を取り付け、車椅子に左右前後を固定する様になっている。その他、右側に手動車椅子(1台)なら折り畳んで収納できるスペースもありました。

前方も安全のため、しっかりと金具&ベルトで固定をし、さらに室内の天井(ハイルーフ)も高く、座席スペースもゆったりしているので同乗したヘルパーも介助し易いです。