続いて同じく2007年3月以来の台北『国立故宮博物院』を訪れました。今回は、たくさんの貴重な展示の中から有名どころで当日見学してきた展示品をご紹介します。

なお詳しい解説は第1回台北編をご覧ください。


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国立故宮博物館@(台北)


「翠玉白菜花種」 「閃玉園蔬筆筒」 「翠玉小白菜」
「翠玉白菜」

天然の翡翠と玉の混ざり具合を巧みに利用した繊細な彫刻で、翠玉巧彫の最高傑作と言われています。
白菜の上にとまっている虫ですが、実はこの2匹は、多産を象徴するキリギリスとイナゴ。
この作品は、紫禁城内の永和殿に安置されていたものですが、そこは光緒帝の妃であった瑾妃の寝宮であったことから、
清らかさを象徴し、多産を願う瑾妃の嫁入り道具だったのではないかと推測されています。
白菜と昆虫という題材は、元代から明代初期の画家による草虫画の中によく見られ、吉祥を象徴する題材でした。

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国立故宮博物館A(台北)

唐 八世紀前半葉 三彩天王像
唐 三彩馬球仕女俑 
宋 定窯 白瓷嬰兒枕
清 康熙帝 五彩鏤空香薫
清 光緒帝 緑地魚龍図花式瓶

背が高く厚みのある大瓶で、瓶の形が愛らしい8枚の花弁の花型になっています。
表面には鮮やかな黄緑の色釉がたっぷりとかけられ、現代的な風格が感じられます。
両側に獣耳型の環が付いていて、腹部の前後に菱花型の開光があり、枠の中に魚と龍が浮き彫りにされています。
雲間に遊ぶ五爪の龍、波涛から躍り出る鯉、「魚躍龍門」には、立身出世の吉祥の意味が込められています。